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肺がんの症状について肺がんの症状について解説します

 

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肺がんとは

肺がんは、気管支や肺胞の細胞が何らかの原因でがん化したものです。進行すると、がん細胞は周りの組織を壊しながら増殖し、血液やリンパ液の流れなどにのって転移することもあります。転移しやすい場所はリンパ節や、肺の中のほかの部位、胸膜、骨、脳、肝臓、副腎です。

出典:がん情報サービス「肺がんについて

肺がんの原因

喫煙は肺がんの危険因子の1つです。喫煙者は非喫煙者と比べて男性で4.4倍、女性では2.8倍肺がんになりやすく、喫煙を始めた年齢が若く、喫煙量が多いほど肺がんになる危険性が高くなります。受動喫煙(周囲に流れるたばこの煙を吸うこと)も肺がんになる危険性を2~3割程度高めるといわれています。喫煙していない人や受動喫煙の影響を受けていない人でも肺がんになることもあります。

出典:がん情報サービス「肺がん 予防・検診

喫煙以外では、アスベストなどの有害物質に長期間さらされることや、肺結核、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎なども、肺がんの発生の危険性を高めると報告されています。

出典:がん情報サービス「肺がんについて

肺がんの症状

がん情報サービス「肺がんについて」において肺がんの症状として

  • 咳や痰
  • 痰に血が混じる
  • 発熱
  • 息苦しさ
  • 動悸
  • 胸痛
が挙げられています。

 

また米国National Cancer Instituteが提供しているPhysician Data Queryには肺がんの症状として

  • 増悪する咳
  • 胸痛
  • 血痰
  • 倦怠感
  • 体重減少
  • 呼吸困難
  • 嗄声
などが挙げられています。

肺がんの初期症状

代表的な初期症状はなく、「この症状があれば必ず肺がん」という症状はありません。

逆にいえば咳や痰などのように、肺がん以外の呼吸器の病気にもみられる症状も含まれます。しかしながら症状が続くあるいは増悪する場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

また、肺がんは検診や胸部単純レントゲン写真やCT検査などを受けた際に症状なく偶発的に発見されることもあります。症状がなければ肺がんではないというわけではないことに注意が必要です。

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 肺がんの症状の分類

肺がんの症状は大きく(1)原発巣もしくは転移リンパ節による症状と(2)遠隔転移による症状に分けることができます。
(1)は例えば肺がん自体が大きくなることで咳や痰、血痰などの呼吸器症状、あるいは転移リンパ節が反回神経を巻き込むことで嗄声(声が枯れた状態)が出現します。これらは主に胸の中で病巣が進行することで起こる症状であるといえます。 
一方、(2)は例えば、骨転移に伴う疼痛や脳転移に伴い出現する脳神経症状などが含まれます。
肺がん自体の予後が不良である理由の一つは、肺がん自体は症状が出にくいために(2)の症状が出現して初めて医療機関を受診される患者さんが多いためです。

すなわち病院を受診した段階で遠隔転移を伴うIV期肺がんと診断されます(肺がんのステージについてはこちらをお読みください)。
現状では約4割の肺がん患者さんが初診時にIV期と診断されているのが現状です。

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肺がんの予防 早期の検診の重要性

それゆえ、肺がんの治療成績の向上には症状の出ないうちに検診を受診し、早期のうちに治療を行うことが重要です。肺がん検診についてはこちらをご覧ください。

日本人を対象とした研究では、がん全般の予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形の維持、感染予防が有効であることが分かっています。

肺がんを予防するために、たばこを吸っている人は禁煙し、吸わない人はたばこの煙を避けて生活しましょう。禁煙を始めてから10年後には、禁煙しなかった場合と比べて肺がんのリスクを約半分に減らせることが分かっています。

出典:がん情報サービス「肺がん 予防・検診

 肺がんの薬物治療について中央病院呼吸器内科による肺がんの薬物治療についての詳しい説明はこちらをご覧ください。

このページの監修について

吉田 幸弘(よしだ ゆきひろ)2024
  • 吉田 幸弘(よしだ ゆきひろ)
  • 専門医・認定医資格など:
    日本外科学会 外科専門医・指導医
    呼吸器外科専門医合同委員会 呼吸器外科専門医
    日本呼吸器外科学会 胸腔鏡安全技術認定医
    日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
    da Vinci surgical system 術者認定医

手術の目的は根治、すなわち「がんを治す」ことです。高度な技術で正確な手術を行なうこと、安全で低侵襲な治療を提供すること、誠実に患者さんと向き合い、より良い治療を患者さんや御家族と共に実践することを心がけています。多くの患者さんにとってがんの診断や入院・手術は初めての経験です。丁寧な説明を行なうことで患者さんの不安を解消し、安心して治療を受けていただけるように努めています。一緒に頑張りましょう。

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