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実績について

 実績について

2024年度も、ロボット支援手術を中心に着実に手術(表1)を実施することができました。泌尿器・後腹膜腫瘍科は、対象疾患数が非常に多いばかりでなく、腎機能維持・尿路確保を担当する唯一の診療科であり、外科・内科問わず、他科の診療に大きく貢献しております。

2024年度は、395件(前立腺がん 259、膀胱がん 41、腎臓がん 67、腎盂尿管がん 28、2023年は371件)のロボット支援手術を施行しました。2022年度から開始したロボット支援下根治的腎摘 (腎部分切除が適応でない場合)、ロボット支援下腎尿管全摘が標準手術となり、さらに下部尿管がんで低悪性度の場合のみ、腎温存を企図したロボット支援下下部尿管切除及び尿管膀胱新吻合術も開始しました。腹腔鏡手術の主な対象は、泌尿器疾患では、副腎摘除(転移性副腎がん、褐色細胞腫)、精巣がんの後腹膜リンパ節郭清となっています。前立腺がんの術後に発生しやすい鼠経ヘルニアの予防手術、鼠経ヘルニアを合併している場合は同時手術も施行しております。スタッフ全員で、質の高いロボット支援手術を安全かつスムーズに提供すべく、日々研鑽しております。ロボット支援手術が困難な場合には、ミニマム創内視鏡下手術を施行しており、根治性を担保した手術全体の低侵襲化を図っています。全身麻酔が困難な場合、局所麻酔下に小径腎がんに対する経皮的ラジオ波焼灼術も施行することができます。

今年度からは、尿路腫瘍に対する診断、治療を強化し、腎盂尿管鏡下での上部尿路腫瘍の生検や焼灼、膀胱腫瘍の診断・治療精度の向上を目的とした術中の光線力学診断を積極的に施行しております。

巨大後腹膜腫瘍や原発性副腎がんなど、症例によっては他科(主に大腸外科、肝・胆・膵外科)との合同チームを必要とする手術が増加しております。腫瘍内科、放射線科とも綿密に連携し、集学的治療を行っています。また、後腹膜腫瘍は、悪性リンパ腫、IgG4関連腫瘍など内科的治療が主役の場合も多く、疑われる場合は、CTガイド下生検(表2)を施行し、当科がその後の治療の道筋をつけております。当院は、大腸外科で局所進行大腸がんに対する多数の手術治療を施行しており、骨盤内臓全摘・前立腺合併切除・回腸導管造設などのために泌尿器科が参加することが非常に多いのも特徴です。

さらに、当科はがん治療に関連したQOL(生活の質)の向上に取り組んでおります。人工尿道括約筋埋込み術経尿道的光選択的前立腺レーザー蒸散術(PVP)ボトックス膀胱壁内注入療法を施行しております。特に、人工尿道括約筋埋込み術は、本邦における中心的施行施設で、多数の患者さんが紹介されてきます。がん手術を取り巻くQOLの問題を解決するために日々取り組んでおります。検査・処置 (表2)に関しては、東病院は進行がんに対する薬物治療の中心的センターであり、薬物治療の円滑な施行のための腎機能温存、改善を目的とした尿管ステント・腎瘻処置は当科が行っております。また、前立腺がんの放射線治療時の照射部位の誘導としての金マーカー挿入や、直腸合併症の軽減のためのスペーサーの挿入も当科が行っております。泌尿器がんの枠にとどまらず、他科のがん治療に大きく貢献しているのが大きな特徴です。

手術件数(表1)

  2022年度    2023年度    2024年度   
前立腺全摘除術 243 223  261
ミニマム創手術 2 0 2
ロボット支援手術 241 223 259
前立腺がん小線源治療 13 3  1
経尿道的膀胱腫瘍切除 224 203  222
膀胱全摘 38 39  42
開腹手術 5 3 1
腹腔鏡手術 1 0 0
ロボット支援手術 32 36 41
膀胱部分切除 6 3  1
根治的腎摘除 23 27  23
開腹手術 5 2 6
ミニマム創手術 3 2 0
腹腔鏡手術 4 0 0
ロボット支援手術 11 23 17
腎部分切除 47 68  50
開腹手術 0 1 0
ミニマム創手術 6 5 0
ロボット支援手術 41 62 50
ラジオ波焼灼術(腎がん) 1 1 6
腎尿管全摘除 44 32  29
開腹手術 3 1 1
ミニマム創手術 6 3 2
腹腔鏡手術 11 1 0
ロボット支援手術 24 27 26
尿管部分切除(尿管がん) 1 1  3
開腹手術 1 1 1
ロボット支援手術 0 0 2
尿管鏡下手術 0 2 8
人工尿道括約筋手術 32 19  31
前立腺肥大症 25 17  18
経尿道的前立腺切除 1 3 1
光選択的前立腺蒸散術  22 14 17
水蒸気治療(WAVE) 2 0 0
ボトックス膀胱壁内注入療法  5 4  5
精巣摘除 7 7  10
後腹膜腫瘍摘除 16 15  20
リンパ節郭清 3 4  6
  後腹膜リンパ節 2 2 4(腹腔鏡2)
 鼠経リンパ節 1 2 2
陰茎切除及び外陰部切除 1 3  4
副腎摘除  17 7  6
 開腹手術 1 0 0
 ミニマム創手術 2 2 1
 腹腔鏡手術 14 5 5
他科との合同手術(注) 35 43  34
総手術数(当科主体) 979 886  1150

 (注)大腸外科:局所進行大腸がん手術での骨盤内蔵全摘、回腸導管造設、前立腺合併切除、膀胱部分切除、

         膀胱尿管新吻合など

 婦人科:膀胱部分切除、膀胱尿管新吻合など

検査・処置件数(表2)

  2022年度 2023年度 2024年度
尿管ステント挿入術 116 128 104
経皮的腎瘻造設術 31 47 31
前立腺生検 279 224 266
前立腺金マーカー挿入 179 194 183
前立腺スペーサー挿入 152 147 78
CTガイド下生検 28 30 25

 

更新日:2025年04月10日